目次:
生命活動に欠かせない呼吸
呼吸を意識していますか。
365日、毎分、毎秒、呼吸をしているのにも関わらず、意外と意識をしていないのが呼吸です。
私自身も、ヨガをするまでは「呼吸はしていて当たり前」のような感覚しかありませんでした。
ですが、長生き=長息と言われるほど、深い呼吸は、私たちの生き方を楽にしてくれるコツです。
まず、基本的な呼吸の機能を確認してみましょう。
呼吸は、生命維持に欠かせない基本的な機能です。その基本は次のとおりです
吸気(吸う):鼻や口から空気を体内に取り入れることです。吸気時、横隔膜と呼吸筋が収縮して胸郭が広がり、肺が空気で満たされます。
肺への空気供給:吸気によって取り入れられた空気は、気管を通り肺に到達します。肺胞と呼ばれる小さな空気の袋に空気が溜まり、そこで酸素と二酸化炭素の交換が行われます。
ガス交換:肺胞の壁は非常に薄く、そこで酸素は血液中の赤血球に取り込まれ、同時に二酸化炭素が排出されます。このプロセスは、酸素が血液に取り込まれて体内に供給され、二酸化炭素が排出されるために重要です。
呼気(吐く):酸素が取り込まれた後、二酸化炭素を含んだ空気を体外に放出するプロセスです。呼気時、横隔膜と呼吸筋は緩み、肺が収縮して空気を体外に排出します。
この基本的なプロセスは、生命維持活動に必要な酸素を供給し、体内の二酸化炭素を排出することで、体内の酸塩基平衡を維持し、細胞の代謝活動を支えます。
呼吸は心身をコントロールする鍵
呼吸は、心身の変化よりも先に変化するため、呼吸を正せば健康になれると言われています。
日常生活で、ちょっと不健康になることがありますが、これも呼吸、とくに浅く不完全な呼吸が影響しています。
「深呼吸」がいちばん大切なので、生活のすべての場所で、意識的に深呼吸することを心がけましょう。
「腹式呼吸」
胸郭を広げる「胸式呼吸」
鎖骨、肩周辺まで広げる「鎖骨呼吸」
の3つを意識して、より深く呼吸することを意識し、完全呼吸をしましょう。
3つの呼吸をやってみよう
「腹式呼吸」お腹を意識しよう
丹田(おへその下)に手を当てます。
背筋を伸ばして、鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹をふくらします。
口か鼻からゆっくり息を吐き出します。お腹をへこましながら、からだの中の悪いものをすべて出しきるように、そして、吸うときの倍くらいの時間をかけるつもりで吐くのがポイントです。
これを繰り返します。 呼吸を行う間は、全身をリラックスさせることが重要です。無理な力を入れず、ゆっくりとしたリズムで呼吸を続けます。
「胸式呼吸」胸(肋骨)を意識
肋骨の横に手を当てます。
背筋を伸ばして、鼻からゆっくり息を吸い込み、肋骨を横に広げます。
口か鼻からゆっくり息を吐き出します。肋骨が閉じていくこを意識します。
これを繰り返します。 ※肋骨は立体なので、背中側も広がったり閉じたりするのも意識しましょう。
「鎖骨呼吸」胸(鎖骨下)を意識
鎖骨の下に手を当てます。
背筋を伸ばして、鼻からゆっくり息を吸い込み、肺全体に空気が行き渡るイメージで、鎖骨下を広げます。
口か鼻からゆっくり息を吐き出します。鎖骨下が自然に下がること意識します。
これを繰り返します。
呼吸と自律神経の働き
また、呼吸と自律神経は密接に関連しています。自律神経は、心臓や消化器官などの内臓器官の自動的な機能を制御する神経系です。この自律神経は、交感神経と副交感神経に分かれます。
呼吸の型と影響
そのため、ヨガでは呼吸と自律神経の働きを活用して、意識的に呼吸型を変え自由に自分の心身をコントロールすることを行っていきます。
呼吸はものごとのコツ
呼吸と体と心は、三密と言われ、相互につながっています。
そのため、呼吸を意識することは、ものごとのコツになります。
いくつか例をみていきましょう。
くつろごうと思ったら、吐く息にカを入れる。
心を落ち着かせたいなら、呼吸を静かに、ゆっくりと深くする。
不快感がっつくのは、胸筋が萎縮し、副腎ホルモンの異常の影響があるため、体を後ろへ強く反らして深呼吸する。
不安な気分がつづくのは、腎臓が弱っていることがあるなので、反り身になりながら呼吸する。
決断心がつかないときは、脚と腹筋にカを入れて、強い呼吸をいっきにする。
呼吸セルフチェック
下記のようなことが気になる方は呼吸が浅くなっているかも?
☑ 疲れがとれない
☑ 頭痛・耳鳴り
☑ めまい・立ちくらみ
☑ 寝つきの悪さ・寝起きのだるさ
☑ 日中の眠気
☑ 集中力・記憶力等の低下
☑ 肌荒れ・代謝の低下
いかがでしょうか。
あてはまることがあった方は、呼吸の仕方、呼吸の質を見直してみてくださいね。
呼吸を日常生活の中で意識的に行う
日常生活で、私たちはどういう身体の姿勢、呼吸の仕方をしているか、はっきり覚えていません。
なぜなら、ふだんは無意識に生活していることが多いからです。
こうした無意識な生活が、 いつのまにか自分を無意識に支配し、条件反射化するのです。
つまり、その癖が身についてします。
なので、まずは呼吸を日常生活の中で意識的に行うことからはじめてみましょう!
ヨガのクラスに参加して呼吸をより意識しやすく
とはいえ、これまで意識していなかった呼吸を意識することはなかなか難しく感じます。
呼吸器系さえ正常ならば、正常な呼吸ができるものと思うかもしれませんが、肺の呼吸運動は肋間筋や横隔膜(おうかくまく)の動きに支配されています。
さらに、これらの呼吸筋を動かしているのは脳です。したがって、正常な呼吸を続けるためには、呼吸器が正常に働くばかりではなく、筋肉もすべて、正常に働かなくてはなりません。
そこで、おすすめなのは、
呼吸を深めるための体操
ヨガのポーズを行う
関連する筋肉群を動かし刺激する
呼吸に関連すり部分に触れて緊張を緩める
こと。
とくに、沖ヨガの呼吸体操は、より深い呼吸を行うために特化した体操です。
私自身も、はじめて沖ヨガの呼吸体操を体験したときには、こんなにも呼吸の幅が広がるのだと驚きました。
ヨガをはじめて数ヶ月は、ヨガのポーズ(アサナ)もどんなふうに呼吸を合わせたら良いかわからず、うまくできなくて
家では、この呼吸体操だけを毎日行っていました。
それでも明らかに身体が軽くなり、眠りやすくなり、疲れにくくなり、心も明るくなったことを覚えています。
KiiYOGAオンラインの4月クラスは、呼吸を深めることをテーマに、4週にわたって、上記のことをふまえながら、心身のケアをしていきます。
気になった方はぜひ
初回2,500円(通常5,000円)/月額
でお試しくださいね。
参考文献
ヨガの喜び (光文社知恵の森文庫)
ヨガ総合健康法(竹井出版)
留言